原作脚本『応答の諸形式』

2026-06-12 UP!

作画・デザイン 左門左兵衛

 

黎和7年10月25日 東京・渋谷セルリアンタワー能楽堂
「左門左兵衛りさいたる」上演 : 創作『応答の諸形式』原作脚本

感受性の強い女性ティーンネイジャーの視点から、現代の人間関係の歪みを描こうとした小品。日・韓・朝の出演者を揃えた「友好舞踊作品」と誤解されているが、私としては、「ゆーこーどうのこうの」という腐った視点はどこにもない。現代日本のホワイト社会に住まう「人々の歪み」、世代・性別間に横たわる隠された悪意・敵意・心理的陥穽、それによって生きる事を抑圧されている現代ティーンの心情に焦点を当てたものだった。公開しない前提で書き下ろしたが、「公開して欲しくない」という出演者・製作スタッフの要望に配慮し、隠し通すことが、じつは舞踊芸術の後退に繋がるように思ったので、人間関係等々は度外視して、公開する事にした。

古典芸能の演者・技術スタッフを使った作品製作に限界を感じた作品でもあった。詳細は省くが、上演作品として成立させるのに、難航を極めた制作だった。

今後、質の高い演者を揃えられたら再演したり、又は、私の早変わり一人立ち舞踊曲として構成し直そうかとも思っている。が、そもそもこの原作は台詞進行の「演劇」として上演するのに適している。自分の手を離れて誰か「演劇」として上演してもらえないか・・・という拙い希望もある。

◎原作・脚本 『応答の諸形式』PDF全文

 

◎公演プログラム掲載<あらすじ>より

「第一幕 男たち【能楽囃子一声】

衣服を正した男たちが集い決まった動作を定まった順序で静かに繰り返す。何かの儀式を執り行うように。ヒトの想いが消えたこの世界で、彼らは何かを願っている。・・・「その子の願いは我らの願いでもある」

第二幕 その子の願い【Etude5

「私が唯一尊敬するキッズ・キラちゃんはずるずるに伸びたタンクトップを纏うセクシー破壊神。でも、私が崇拝するキラちゃんでも知らない事がある。子供では、絶対に気付けない何か。世界をやり直す為に皆んなをここに集める…何をしてでも。謝らなくってもいい。ただ、作り変えてやる。

第三幕 女たち【NewWorld

「色んな世界を知っていた。曇ったり晴れたりする空。絵の具が染み込んで濁ったみたいな妙な顔をした男も。あなたが知っているSNSの動画より生々しくて愛らしかった。だから、あなたも分かる。悲しんだり自分を傷付けたりする必要はないんだって」

第四幕 仲裁と不和【Massman

あの男達の片割れがやって来る。

「どんな子供にだって、言い分はあるよ。嫌ですって言われてたらしいね。でも、ここに来たよ」だが、その話し合いは〈いつもの〉罵り合いに変わる。彼らは目の色を変えて欲望の椅子取りゲームを始める。

第五幕 Naqoyqatsi(人生は戦争)【Naqoyqatsi

幻想は世界と戦う

…その子は震えていた。「やばい、倒れて吐きそうだ。あの変なおじさんも頭の中に出てきた。いつもレッドブルで頭の中に出没するビョーキ男」儀式を取り行っていた初老の男はその子の幻視だった。

彼女はこう願っていた。

「みんな同じ事を言う。上手く立ち廻れって…。人を騙して得すればいいんだよーっ、て。でも、それで世界が崩れたんだ。だから・こいつらはいつも罵り合ってる…だから・私はいつもバイブってる…でも、このまヽ震え乍ら終るなんて絶対に違う。それなら…」

第六幕 死出の旅と希望は同じものだ 【Etude2】(後略) 」

 




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